ごあいさつ
子宮内膜症
■子宮内膜症とは?
子宮内膜以外の場所に内膜が出来てしまう病気です。不妊症で悩んでいる方のうち2~3割が子宮内膜症だと言われています。
■子宮内膜症が発生する主な部位
1.子宮筋層内(子宮線筋症)
2.卵巣(チョコレートのう腫(胞))
卵巣内に出来た子宮内膜は毎月増殖、出血を繰り返し、徐々に溜まります。溜まった血が酸化し泥状に黒くなった様子がチョコレートに見えることからこの呼び名が付いています。
3.ダグラス窩(子宮と直腸の間の腹膜)
4.卵管
5.膀胱 など
■子宮内膜症の原因
西洋医学では月経逆流説が有力ですが、はっきりとは分かっていません。
東洋医学では瘀血(おけつ)が原因と考えています。月経時に経血が排出しきれず子宮や卵巣、卵管などに残ってしまうことが要因になると考えています。
■瘀血とは
瘀血とは、体内の血のめぐりが悪くなった状態。 本来はきれいでサラサラした血が全身をくまなく流れているのが理想的ですが、何らかの理由によって血が全身をスムーズに流れず固まりやすくなることをいいます。
近年、瘀血体質の女性が増えてきたと感じます。原因の中には寝不足、不規則な生活、食の欧米化、運動不足などから発生する場合が多くあるからです。瘀血は卵子の発育にも悪影響を及ぼします。妊娠を希望されている方は早めの治療をお勧めします。病院ではっきりとした診断が無い方がほどんどです。ご自身でもしかしたら?と思ったらすぐにご相談ください。
■子宮内膜症に良くみられる症状
☑以前よりも月経時の下腹部痛や腰痛がひどくなっているように感じる
☑出血量が多く今までのナプキンでは間に合わなくなった。
☑性交時痛・排便痛がある
子宮のすぐ後ろにある直腸との間のくぼみ(ダグラス窩)や子宮を支える靱帯などに病巣がある場合が多い。
子宮内膜症の痛みは発生している部分に痛みが出てくるので、下腹部だけにととどまらず、腰部や骨盤、肛門の奥まで広範囲にわたって激痛が走ることがあります。
■子宮内膜症と不妊症の関係
1.子宮内膜症になると増殖した内膜が子宮・卵巣・卵管・腸管などと癒着を起こしやすくなります。
卵管の癒着が起これば精子や受精卵が通りにくくなり、癒着する事で卵巣・卵管が動きにくくなります。その為放出された卵子を卵管へ上手く取り込む事が難しくなると考えます。
2.卵胞の発育が悪くなる
卵巣にチョコレートのう腫が出来る等すると卵巣の働きが低下する為、卵巣内にある卵胞の発育が悪くなります
■当院の治療
原因は瘀血です。鍼灸で血の巡りを良くし、古い血が溜まるのを防ぎます。血の滞りを無くす事で月経痛の解消が期待できます。また東洋医学の治療は、月経の周期を正常に保ちながら治療できるという点にあります。薬剤により起こる副作用は無く、無理に排卵を抑えたり、月経を止めたりはしません。
■子宮内膜症や子宮筋腫があると不妊になるのですか?
実際に筋腫や内膜症をもったまま妊娠・出産される方は大勢いらっしゃいます。しかし病気なったのは偶然などではありません。原因は必ずあります。私たちが解決のお手伝いさせて頂きます。